知る・学ぶ読書【読書で教養は身につくか】

教養だけにこだわらず、興味のあることを知る読書。目標年50冊。

10冊目「警察捜査の正体 (講談社現代新書)」

  小説では割りとミステリーを読むので、そこから興味を持ったタイトルでした。実際には警察がどのように個別の事件を事件を捜査するのかという点ではなく、警察組織の体質のような面についての本でした。

警察捜査の正体 (講談社現代新書)

警察捜査の正体 (講談社現代新書)

 

  読もうと思ったきっかけとは異なる視点の本とは言え、大変興味深い本でした。

 杜撰な証拠管理、書類の捏造や誤魔化し、長時間に渡る取り調べや自白の強要。
 警察の活動の拠り所とすべき法や規則に反している(反する恐れのある)手法は、それ自体がいけないことであるばかりでなく、それらが多数の冤罪を生み出している実態を読み怖くなりました。街頭の監視カメラ(防犯カメラ)にたまたま映ってしまっただけで逮捕される、ということも十分に起こりえるようです。さらに十分な根拠もないままに国民の個人情報も入手出来るため、疑われないためにどう用心したら良いのかもわからない不気味さを感じました。
 また、科学的な捜査も状況証拠でしかなく、過信は禁物であるこも普段は意識していないことでした。
 ベテラン刑事の退職やキャリア枠の拡大により、捜査経験の浅い刑事が増えたこと、アリバイ捜査を十分に行わないなどの基本的な方法が不十分であることも、冤罪の要因の一つなのかもしれません。
 検挙率のノルマを課し、そのために犯罪認知件数を偽装したり、不送致余罪を利用したりしているため、見かけ上の数字ばかり良くても実態はまさにヤミの中だそうです。

 参考になるのは終章のガイドです。特に任意同行は、そのまま取り調べからしてもいないことに対する自白の強要に繋がりかねない入り口であるので、逮捕状の有無や、参考人なのか被疑者なのかを確認し、むやみに捜査員を室内に入れないなどの対策が示されています。
 正直、警察に対してここまで用心しなければいけないことが、とても嫌なことに思います。ですが冤罪であっても逮捕されてしまえば長期間拘束された上、ほぼ有罪になってしまうのであれば、自衛の方法を知っておいて損はないと思いました。

 法律の知識もなく、警察の捜査方法も法的な根拠も知らなければ、警察からすら身を守れません。たとえやましいことがなくとも、終章のガイドには目を通しておくことをおすすめしたいと思いました。

 

 

 以前より読み進めている「罪と罰」は、1巻を読み終えました。引き続き読み進めつつ、並行して読む本を探したいと思います。